
仕事中にふと好きな家具の話になって、あたたかい気持ちになった日。
「自分が好きで作ってもらった家具は、何年経っても好きなの」
そう話してくれたのは、社長(しんいちさん)の奥様でした。
シンクファニチャーができる前のお話。奥様のお誕生日に、社長が贈ったのは巻き戸のライティングビューロー。社長が初めて手がけた巻き戸の家具でもあります。
ヴィンテージショップを巡る中で「巻き戸のある家具が欲しい」とお願いしたのがきっかけだそうで。色々見て周り、構造を調べながら形になったそうです。
ライティングビューローは、収納とデスクが一体になった家具。巻き戸を開けると、ドライヤー用のコンセントや持ち運べるメイク収納、ジュエリーやドライヤーを収められる棚が仕込まれています。さらに巻き戸の下の板を引き出せば、デスクのように書き物をしたり、ゆったりメイクができるスペースに。
左下の引き出しには、奥様への細やかな配慮が。デザイン的に引き出しは少ない方がいいけれど、1段1段が深い引き出しは使いにくいからと、一番上に内引き出しを仕込んで、文房具を整理できるようにしたのです。
「ヴィンテージ家具の雰囲気は好きなんだけど、引き出しが開きにくかったり、どうしても不便なこともあるでしょう? その点、このビューローは引き出しにレールをつけてスムーズに動くようにしてあったり、中にはコンセントが仕込まれていたり。ヴィンテージの空気感を残しながら、今の暮らしに合わせた仕様になっているの。」
当時は団地暮らしで、ここがメイクや髪を乾かす場所だったそう。今は引っ越して洗面所ができたので奥様自身は使わなくなったけれど、娘さんが絵を描いたりと、まだ暮らしの中で息づいているそうです。
巻き戸を開けるたびに「やっぱり好きだな」と思える家具なのだそう。
そんなお話を聞いたら、私もいつか自分のためにオーダーできるように、家具のデザイン案を考えてみたくなりました。
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RENOVATION 01 / HOUSE 30
